調整で四苦八苦 [週刊和時計をつくる]
やはり和時計は組み立てからが始まりのようだ。
先日完成したもののいくつか不具合が見つかった。
・時打ちが始まらない時が多い
・上下の天符切り替えが行われない
・時打ちの鐘が澄んだ音にならない
・上下の天符切り替えが行われない
・時打ちの鐘が澄んだ音にならない
時打ちが始まらない理由がなかなか見つからなかった。「三つ枝金」が原因であることは分かったが、何が悪さしているか分からない。前後の各二の輪を手で回して状況を作ってみると、三つ枝金のつるくびを押しても懸かり金がうまく外れないときがあった。この状態に陥ると、つるくびが上がったままロックしてしまい、文字盤裏の「つく」で押し上げようとしても空振りになる。つまり時打ちは永遠に始まらないことになる。
懸かり金が外れやすいように角を削ると良いかも知れないが、リスクが大きくやりたくない。そこでこしき輪と懸かり金の角にグリスを塗ってみた。一応うまくいって手回しではほぼ100%動作するようになった。しかし実動作はどうなるか分からないのでまずは様子を見てみることに。なお、上下天符の切り替えは時打ちの動作で行っているので、時打ちが直れば切り替えも大丈夫だと思われる。
もう一つの不具合である鐘の音だが、調整用のキャップを太くすることで解消できた。手持ちの電気用の絶縁テープを巻いてみた。これはビニールテープのように経年劣化でべとついたりしないのが特徴だ。見た目はキレイではないが、澄んだ音で鳴るようになり一安心だ。
肝心の時計としての時間調整はこれからだが、いっそのこと定時法で運用したいと思っている。つまり昼夜問わず「一時」は2時間に設定したい。これはこれで簡単ではなさそうだが。
とうとう完成・・・これからが始まりらしいが [週刊和時計をつくる]
組み上げると早いもので、1週間かからずデアゴスティーニの和時計が完成してしまった。飾り柱や左右の扉も設置し、さらにケースに入れて完成。
とりあえず上下天符での計時動作は確認できたが、時打ちや文字盤の回転、さらには上下天符の切り替えは未確認だ。そして肝心の時間調整だが、これはとても時間がかかりそうだ。
当時の職人は製作に1年、調整に1年かけていたと聞く。製作は早められても調整だけは当時とさほど変わらない。設定して実際に動かしてみるしかないからだ。ただ単位時間あたりの天符の往復回数から、およその時間調整はできる模様。冊子を読んで気長に調整してみるか。と、思ったが飽きやすい管理人には辛抱強く調整するのは無理かも知れない。
とりあえずの不具合と言えば、時打ちが澄んだ音にならないことだ。打った後、ハンマーが鐘とわずか離れるのが理想だが今は接触している模様。偏心したキャップのようなもので適切な位置を見つけ出すことになっているが、一番厚い位置にしても接触してしまう。とりあえず養生テープでも巻いてみて厚くしてみるか。小さいパーツではあるが、3Dプリンタで作れるかも知れない。半時(現代で言うところの約1時間)ごとに1回は鳴るので、やはりここだけは直しておきたいところだ。
ゆっくりした天符の動きや、わずかに聞こえるカチコチ音は和ませる雰囲気がある。左右扉を外して各歯車が見るようにしておけば、何時間でも見ていられるかも知れない。そんな気にさせる逸品であり、デアゴスティーニものでは久しぶりに感じた達成感だ。
だが、あらためて思うに機械式時計は精密機器だ。うっかり転倒させたらどこかが歪んで元の通り動くことは難しいだろう。こちらに書かかれている和時計は、製作の過程でぞんざいに扱われて、各パーツにゆがみが出てしまったのだろう。1年以上かけて製作する過程ではそういう事故も起こりえるので、製品不良のような書き方をされてちょっと残念だ。
一気に45号まで進む [週刊和時計をつくる]
製作に加速がついたデアゴスティーニの和時計だが、とうとう45号まで達した。例によって昼間もやっているので当たり前ではあるが。
この通り台座がほぼ完成。組み立て手順だと、接着剤がはみ出ても汚さないようにとマスキングテープを貼ることになっていたが、最初の一回だけでその後はサボっている。十分内側に、さらに多すぎない程度に塗布しているから大丈夫なはずだ。しかし油断していたら一か所はみ出たところがあった。ヘタに拭くとかえって汚してしまうのでそのままにした。目立たないから良しとする。
本体の方は文字盤や時打ちのハンマーも取り付けて時計らしくなった。時打ちのテストも実施したが問題はなさそう。今のところすこぶる順調だ。この一年のデアゴ製作で手慣れてきたのか、小さなネジ類をピンセットで飛ばして四苦八苦して見つけるなどという事故も皆無だ。机の保護をかねて敷いているタオルが良いクッションになっているようだ。
製作時には手油を付着させないよう「ニトリルグローブ」なるものを装着している。医師や食品加工業者が使う手袋だ。素手で製作したら磨いたのが台無しになるし、磨くときに手が汚れるのも防げる。なお、この季節は手も結構汗をかく。通気性はないので汗が内部に貯まり、外すと爽快感があるくらいだ。真夏は遠慮したいものだ。
残るは15号分。うまくすればあと1日、遅くも2日で終了する予定だ。しかしここまで順調すぎたので何か落とし穴がありそうで怖い。最終号には完全に分解して再組み立てする手順まで掲載されている。試し動作させているのでそのような状態に陥らないはずだが、結局は祈るしかない。
半分ほど終了 [週刊和時計をつくる]
真鍮パーツの磨きと墨入れで四苦八苦したが、結局大幅に妥協することで一気に進められた。
その妥協とは、
・ピカール液などでの前処理せず磨き布だけで磨く
・墨入れはサインペンなど現代の力を借りる
・墨入れはサインペンなど現代の力を借りる
真鍮と思われていたパーツのほとんどは、どうやら真鍮メッキのようだった。パーツの中には地金にまでさびが出ているものもあり、これらは磨いてもどうにもならない。また前処理した後は水洗いしたいところだが細かいパーツも多く紛失の危険がある。乾くまで待つのも億劫だ。結局磨き布だけの処置に落ち着いた。メッキだと分かってから手間をかけるのが馬鹿馬鹿しくなったのも理由の一つだ。
キットには機械油が付属していたが、これを使わずにミニ四駆用のオイルペンを用いた。塗りやすいし余分に塗る心配も少ない。週刊マイロボット製作時に購入したものだ。プラスチック用ではあるが金属に使うのは問題ない。
なんとか今月中には終わらせたいものだ。というのも来月からは本格的に帆船模型製作にチャレンジすることになっているからだ。詳細は後日記事にまとめたい。
和時計製作開始するも・・・ [週刊和時計をつくる]
買って半年もたってしまったが、ようやく和時計の製作に着手した。
しかし真鍮のパーツを磨いて墨入れするなどの手間が多く、製作の順番など検討していてなかなか進まない。先達のやり方だと一度ピカピカにしてからの方が良さそうなのだが、ピカール液や添付の磨き布を試すもあまり思った通りにならない。手間ばかりかかってしまう。
木製で味のある作りだ。アクリル板で四方を囲っているが、先達の中には、わざわざ同サイズのガラスを調達した方もいる。昔のように町のガラス屋があればサイズに合わせて切ってもらえるのだが、近隣にはなさそうだ。
結局アクリル板のままとしたが、確かに高級感はない。まぁ余分な金をかけるより動く時計を作る方に精を出した方が良さそうだ。
結局アクリル板のままとしたが、確かに高級感はない。まぁ余分な金をかけるより動く時計を作る方に精を出した方が良さそうだ。
各種文献を借りてきた [週刊和時計をつくる]
いままで多数のパートワークものを製作してきてハッキリ言えることがある。添付している冊子は「解説書としては最低」ということだ。Amazonのレビューで冊子だけを評価されていたら★1つに違いない。その中でもフェラーリ・ラジコンカーが最悪だったが、「和時計をつくる」も似たり寄ったりのようだ。デアゴスティーニは「分冊百科」を確立した出版社なのだが、非常に残念である。
冊子の中で時計の基本的な構造や和時計ならでは機構を、図を示して解説すべきだろう。製作すれば理解できるとでも思っているのかも知れないが大間違いだ。製作中は間違えないことだけに集中しているので、構造を考えている余裕などない。あらかじめ構造を知っておけば、製作において精度を要求される箇所や注意すべき箇所が分かろうというものだ。残念ながらそのような説明は皆無だ。
書籍にコストをかけたくないのだろう。詳しい図を示して解説するためには、それなりの筆者と精密な図を描けるCAD使いが必要だ。結局のところ、知識の低いライターに写真を並べた表面的な解説を書かせているだけに違いない。
今回借りた書籍では、それをある程度補うことができそうだ。
・和時計、塚田泰三郎著、東峰書院、1960年
- 数少ない和時計専門の解説書
- 歴史や構造が詳しく書いてあるが、古い表現が多く難熟語もあり読みづらい
・機械式時計大全、本間誠二監修、誠文堂新光社、2013年
- 腕時計の技術解説と超高級品のカタログ
- 時計の基本的な構造を理解できる
- カタログには数百〜数千万円の品がゴロゴロ載っている
・完訳からくり図彙、村上和夫編訳、並木書房、2014年
- 江戸時代の技術指南書「機功図彙」の訳本
- 和時計だけでなくからくり人形も掲載
- 現代語訳だけど図は当時のものなのでわかりやすくはない
・和時計、塚田泰三郎著、東峰書院、1960年
- 数少ない和時計専門の解説書
- 歴史や構造が詳しく書いてあるが、古い表現が多く難熟語もあり読みづらい
・機械式時計大全、本間誠二監修、誠文堂新光社、2013年
- 腕時計の技術解説と超高級品のカタログ
- 時計の基本的な構造を理解できる
- カタログには数百〜数千万円の品がゴロゴロ載っている
・完訳からくり図彙、村上和夫編訳、並木書房、2014年
- 江戸時代の技術指南書「機功図彙」の訳本
- 和時計だけでなくからくり人形も掲載
- 現代語訳だけど図は当時のものなのでわかりやすくはない
デアゴスティーニは全巻揃えると10万を超えるものばかりだ。パートワークものといえども、書籍の方も価値あるものにしてもらいたいものだとつくづく思う。
悲願達成!「週刊 和時計をつくる」全号購入 [週刊和時計をつくる]
今回は「デアゴスティーニ依存症」が発症したのではない。かねてより、週刊デロリアンを購入したころより欲していた「週刊和時計をつくる」の全号セットを、ついに購入することが出来た。デロリアン挑戦のきっかけとなったタモリ倶楽部でこのセットも紹介されており強い興味を持っていた。本家デアゴから全号セットも販売されているが、当然ながら高い。
当時から数は少ないがオークションなどで出品はあった。しかし想定した価格を超えてしまい落札には至らず、また入札時に一騎打ちになり断念したこともあった。
当時から数は少ないがオークションなどで出品はあった。しかし想定した価格を超えてしまい落札には至らず、また入札時に一騎打ちになり断念したこともあった。
そして今回、開始価格がそこそこの価格だったためか誰も入札することなく一人勝ちしてしまった。直近の落札価格と比べると送料込みで1万以上安いので大勝利だ。気分が良い。
それにしても、未作成のデアゴスティーニセットが3つ(ラジコンフェラーリ、マイロボット、和時計)にもなってしまった。和時計を入手するまでの間、他に目が行っていろいろなものに手を出してしまった結果でもある。ずいぶん遠回りしてしまったがようやく和時計を入手できたのだから、オークションをあさるのはこれで終わりだ。これからは製作に専念することにしよう。
ふと冷静になって考えると、和時計のセットに関しては作ることより入手することが目的になっていた感もある。本当に作りたかったのか自問しているがハッキリした答えは出ない。それにしても今年はデアゴスティーニに金を使った。明確な計画があったわけではないが海外旅行に行く想定をしていて、行く機会がなくなりその金を原資とするという名目で買いまくった。原資の額はとうに超えてしまった。そろそろ現実に目を向けなければいけない。
ともあれ買ってしまったものは仕方ないので、あれこれ考えることより完成だけを考えることにしよう。