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2色マルチカラーフィラメントを試す [3Dプリンター]

以前から存在を知っていて、類似品が安く出ることを期待して待っていたフィラメントを購入したので早速試した。

「2色マルチカラーフィラメント」と言って、断面が半円ずつ2色になっている。確か去年末辺りに登場したが、今回類似品で250g×4本のセットを見つけたので購入した。

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長さ方向に色が変化する「レインボーカラー・フィラメント」はだいぶ前から存在した。この手のフィラメントは、高さが10cm以上あるような大きめの造形物だと見栄えがするので、色変化の周期がそれに合わせて長めになっている。3DBenchyや招き猫のような小物は色変化がほとんどなく、恩恵にあやかれない。

その点このフィラメントは、ある程度の高さがあれば3〜4cmでも違いがわかる。逆に平たいプレートのようなものは色が混ざって出てくるだけなので企画倒れになる。

早速プリントしてみた。
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左右で色が変化する予定だったが、巻グセの影響か前後での色変化になってしまった。エクストルーダーには色が左右になるようロードしたのだが、プリントが進んでいくうちに前後になってしまった。手で左右になるように力を加えてみたが結局前後になり、悪あがきした部分は色変化が不自然な層になってしまった。余計なことはしないほうが良さそうだ。

このフィラメントは、エクストルーダー内でねじれずそのままの向きで吐出することを前提としている。なのでボーデン式では若干不利かもしれない。チューブ内でねじれが発生したり戻ったりすると、造形物の色変化が均一でなくきれいに仕上がらないだろう。

この手のキワモノは、最初のうちは面白がって色々プリントするがそのうちに飽きてしまうのが常だ。なので1kg単位で何本も買う気になれなかった。今回購入したのは、250g×4本のセットだが灰色や銅色など渋めの配色が多く、紫や赤系の色の組み合わせはなかった。福袋のようなもので不人気な配色でセットを作ったのかもしれない。

 

なおこのメーカーは3色マルチカラーまで出している。試してみたいがこれ以上キワモノはあっても困るので当然見送りだ。

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Snapmaker2のCNCを試す [3Dプリンター]

騒音やら粉塵を毛嫌ってなかなか手を出さなかったSnapmake2のCNCを試用してみた。

専用ツールのLubanは、CNCに対しては長らくβ版だったが、いつのまにか更新されて正式対応していた。
LubanのCNC.pngSnapmaker2に添付されていたアクリル板(110mm四方、2.8mm厚)に対し、Vビットでロゴを切削し、周辺をフラットで切断してみる。それぞれのデータは予めDXF形式で作成しておいた。
切削の深さや切断時のタブ(完全に切断せず残しておく部分)の設定など比較的簡単だった。ただし、エンドミルの交換待ちをしてくれるような機能ないので、切削と切断は別データとして保存し、部材を固定したままエンドミルを交換して続行する方法をとった。

加工を始める段になって、付属の固定治具は大きすぎてアクリル板の加工には不釣り合いと気づいた。エンドミルと接触する心配もあったので、3Dプリンタで簡単な治具を作った。アクリル板の厚さに合わせた駒のようなものを数個作り、手持ちのM4ネジで捨板に取り付けた。さらに削りカスを撒き散らさないように、捨板の周辺に囲いを付けた。厚紙を切り貼りして塀を作っただけだ。厚紙なので、エンドミルやXYの各軸が接触してもトラブルにはならない。

加工終了直後はこうなった。
IMG_3737.jpegIMG_3738.jpeg囲いを超えてかなり粉塵が飛んでいる。ないよりマシと言ったところか。ネジが3本しかなく3箇所しか固定していないがなんとか乗りきれた。

加工品はこの通り。
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IMG_3744.jpegとあるメタルバンドのロゴだ。周辺の切断はまぁあまぁだが、ロゴの切削は削りカスが残っているのか白っぽくなっている。ほじってみたがきれいにはならなかった。Vビットでこういった加工をするのは邪道なのかもしれない。切れ味が落ちてきたらもっとひどくなりそうではある。
かつてレーザー加工機でこれと同じものを製作したことがあるが、やはりレーザーにはかなわない。この加工には、ロゴの切削はレーザー、周辺の切断はCNCで行うべきか。10Wレーザーなら両方できるのだが。

なお、騒音や振動は多少あるものの気にならないレベルだった。金属加工ができない非力さの上にエンクロージャーの効果もあるようだ。しかし加工エリアが極めて狭いのは残念。捨板は160×160mmだが固定するためのM4ネジ穴は大部内側にあり、今回のアクリル板と同じ110mm四方がサイズの限界かもしれない。A150のCNCはおまけみたいなものか。

タグ:Snapmaker CNC
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多色印刷についてあれこれ [3Dプリンター]

ホビー向け積層型3Dプリンターの多色印刷と言えば、
・Prusa MK3S用オプションの「MMU2S: Multi Material Upgrade 2S」
・汎用多色アダプタのMosaic社Paletteシリーズ
が主流と思われる。いずれも1ノズルだが、2ノズルで2色印刷可能な機種は過去からいくつか存在していた。しかしどれもこれもまともに印刷できない。2つのノズルの位置合わせを、3軸完璧にするのは民生機器品質では無理のようだ。

1ノズルでの多色印刷は、
・フィラメント交換
・ノズル内に残ったフィラメントの廃棄(パージタワー)
が肝となる。
積層方向に色替えするのなら手動でも可能だ。Prusaならスライサの設定で簡単にできる。6〜7回の色替えを行って印刷したことがある。しかし同一面で色替えがある場合など、フィラメント交換が数10回になると手動はもはや現実的ではない。手動でも行った色交換時のフィラメント廃棄を自動で行うのが上記装置の役目でもある。

今年4月以降、多色印刷可能な機種がクラウドファンディングで登場してきた。いくつか紹介する。
●AnkerMakeの「M5」と多色アダプタの「V6」
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プリンタ自体はPrusaとさほど変わらない。カメラ付きとかタッチパネルUIを持ったコントローラーとか今風な改善はある。最大の特徴はV6という6色の多色印刷オプションだ。乾燥機能付きのケースにフィラメントを設置し、専用のエクストルーダーユニットに交換した本体に接続して使う。その最大の特徴は「パージタワーを生成しない」だ。
このオプションはクラウドファンディングのアドオンとして後日(2023年1月)出荷とのことで細部が明らかにされていない。わかっている範囲では、
・1ノズル
・エクストルーダー自体はV6側に存在し、フィラメントの1本を選択して押し出す
・6本のフィラメントのままエクストルーダーユニットに入力
じつは管理人はこのシステム一式を購入することにしてプレッジした。フィラメント6本セットなど含め$960ほど。本体は11月、多色オプションは来年1月と随分先だが楽しみではある。しかしパージタワー無しで本当に多色印刷可能なのか、いまだ疑問だ。

●Bambu Lab社「X1」および「AMS」
x1Series-main-bg-large.jpgCoreXYでエンクロージャー付き。高速・高温での印刷が可能で、PCやカーボンファイバー入などの高強度なフィラメントが使えるのが売りだ。最大16色まで可能な多色印刷オプションもある。多色印刷の構造は、MMU2と考え方は同じ。フィラメントを抜き差しし、ノズル内のフィラメントをパージタワーに捨てる。ただし、パージタワーになすりつける前に直接ノズルから排出もする。圧力を高めて排出できるのでパージタワーより効率は良いはずだ。パージタワーは仕上げ用なのか。

AnkerMakeをポチった勢いで、クラウドファンディング開始日に争奪戦に参加しそうになったけど、発送先に日本が含まれていなかったのが幸いした。技適関連がクリアできていなかったようだ。手続きが面倒な日本は後回しにされたようだ。

●BigBrain3D社「Swapper3D」(Prusa用ノズル交換システムのキット)
20cc41df-6d63-5539-42d7-dafce34b2ac5.jpg紹介動画を見ると、実に面白い動きをしている。1ノズルだがノズルそのものを交換しているのでパージタワーが不要だ。コンセプトは面白いが、キットなので再現性が多いに疑問だ。MMU2でも苦労するらしいがその比ではないだろう。さらに、
・ノズル交換後に、その位置を3軸すべてにおいて0.05mm程度の精度で合わせられるか
・Prusa本体の電源ですべての電力を供給できるか(MMU2の場合はそれも含めて)
この2点は疑問というより不可能とさえ思っている。クラウドファンディング開始から1週間少々だが、執筆時現在で実質60人程度しかプレッジしていないのが証拠かもしれない。これをプレッジするのはよほどの物好きと言える。無駄金になるのは必至だ。

なお、本キットはMMU2専用ではなくPaletteシリーズにも対応している。しかし、フィラメント接合は不要なので、接合部の前後でカットするという荒業で対応している。これはPaletteの最大の特徴をないがしろにする暴挙だ。
この会社は以前の記事で書いたように、Palette2/3用のP2PPオプションとしてパージメカニズムを販売している。調整には500回のトライが必要とあり、現実的でないと無視していたが、とうとうこんなものを作ったのかという印象だ。この装置も500回の調整が必要なのだろうか。こんなものに大枚払う気にはなれない。


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お高いkaikaノズル購入 [3Dプリンター]

高いだけで費用対効果が多いに疑問だった国産高精度ノズル「kaika」を購入した。

多色印刷での色移りがどうしても気になるが、途方も無い値のパージ量を設定するのは現実的ではない。ノズルも大いに影響しそうだと思い、交換をしてみた。現有のPrusa廉価ノズルから、クローンDragon Hotend添付の非真鍮(材質不明)に交換したら若干改善した。そこで、ノズル内のフィラメントの流れが良いとされるkaikaノズルを購入した次第。
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結論から言うと、クローンDragon Hotend添付品より若干改善、つまり今まで主に使ってきたPrusa廉価ノズルよりだいぶ改善したようだ。とはいえ、ある程度のパージ量は必要でありkaikaと言えどもやはり万能ではなかった。1ノズルでの多色印刷の限界を見た思いだ。
IMG_3720.jpeg<左>
・Prusa廉価ノズル
・パージ量:280mm3
・ワイプタワー29g
<右>
・kaikaノズル(0.4mm、E3D互換)
・パージ量:500mm3
・ワイプタワー41g
この通り色移りは皆無と言って良い。ただし本体が19gに対し、ワイプタワー(ゴミ)は41gもある。流れの良いとされるkaikaノズルでもこの程度なので、結局1ノズルでの多色印刷の限界かもしれない。

というわけでPalette3 Proでの多色印刷はひとまず区切りとする。実用的なものはほとんど作っていないが、ネタがあれば失敗なく作成できる自信はある。
昨今多色印刷可能な新しいマシンが登場している。これらに対しても、多色印刷経験者として一家言を持つことができたのは大きい。実はそのうちの1機種を購入することにした。これに関しては別記事にして記載しておきたい。

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