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Palette3の動作モードとPing/Pong [3Dプリンター]

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先日ようやく攻略できたPalette3 Proだが、いくつか概念が理解できずそれが原因で遠回りしていた気もする。Mosaic社のサイトにはこれらについて説明しているページもあるが、表面的だったり、Palette2など旧製品の説明が混ざっていたりと不十分かつ不正確だった。忘備録も兼ねてここに記載しておく。

●動作モード
コネクテッドモードとアクセサリモードが存在する。表面的な機能の違いは以下の通り。
・コネクテッドモード
 - Palette3からUSBケーブルを通じてプリンタにGコードを送出する
 - CANVASでの生成ファイルは1種類で、Palette3に送るだけでいい
 - フィラメントをプリンタにロードしたらPalette3側で印刷を開始する
 - 手軽に使える
・アクセサリモード
 - Palette3とプリンタが独立して動作する
 - CANVASで生成したmafxファイルはPalette3で、Gコードはプリンタで実行する
 - Palette3側でフィラメントが準備できたら、プリンタを操作して印刷を開始する
 - 若干手間がかかる

●Ping
フィラメント消費側のフィードバック。Palette3からプリンタを経由したループになっている。
基本的にPalette3は(初代Palette、Palette2でも)、CANVASで生成されるファイルを元にフィラメントを生成する。一方プリンタは供給されたフィラメントをGコードにしたがって消費していく。両者は非同期の関係にあり、処理が進むとズレが累積していく可能性がある。そこでフィードバックを形成するのがPingだ。

Palette3は出力チューブの端部分にロータリエンコーダがあり、これで実際のフィラメント消費量を計測している。一方Gコードにはフィラメント消費量の計測点を示す特殊なコードが埋め込んであり、このコードをプリンタが実行するとPalette3側でこれを検知してフィラメント消費量の想定と現実の差異を見出す。これは今後のフィラメント生成に反映される。
その特殊なコードでのプリンタの挙動は、
・13秒停止
・20mm印刷
・7秒停止
となっていて、Palette3のロータリエンコーダでこれを検出する。この手法は初代Paletteからある方法であり、Palette2およびPalette3の「アクセサリモード」ではこのように動作する。一方「コネクテッドモード」では、Palette3側からGコードを送出するので、プリンタの挙動を見ることなく送出データを用意した時点でPingを検出できる。よってこのモードでは停止などの動作はしない。

一見かしこいコネクテッドモードだが、Gコードを送出した時点ではまだプリンタの動作は完了していない。つまりロータリエンコーダでの計測値は少なめに出るはずである。この差をどのように吸収しているのか不明だが、心なしか精度を欠いているようだ。つまりアクセサリモードの方が精度が高いのではないか。

●Pong
フィラメント生成側のフィードバック。Palette3内でループを形成している。
Gコードから想定されるフィラメント必要量と、実際に生成した量を比較している。生成量はPalette3内の「バッファ」部分にある2か所のスイッチのタイミングによって算出しているとのこと。これに関してはさらなる詳細は不明。


Ping/Pongに関しては、こちらのページを読んでもさっぱりわからなかった。何となく分かる程度でもどかしかったが、こちらこちらのページでようやく理解できた。この2ページは初代Palette時代の説明文のようだが詳細に書かれておりその理念がわかる。ただしPingとPongにより検出した差異をどのようにフィラメント生成に関与しているか詳細は不明。これ以上はMosaic社の内部情報になるのかもしれない。

なお冒頭の写真は、完成した直後にノズルが煙突部分を押し付けて溶かしてしまったもの。CANVASが生成するGコードでは、プリント終了時の挙動が遅かったので、PrusaSlicerでの設定をそのままコピーしたのが失敗だった。Z軸を0に戻してしまいそのまま造形物に激突してしまった。完全に確認不足だった。

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