さらに作る気が失せる・・・

先日納品されて作る気力が失せつつあるアシェット社の「パイレーツ・オブ・カリビアン」だが、気を取り直してネットを漁って製作記を読んだり、映画のBDを借りてきて鑑賞などしてみた。

しかし、深入りすればするほどのこのキットの貧弱さが浮き彫りになった。例えばこちらの方は、キットは「素材」と見なし、オリジナルのブラックパール号を作り上げている。船体も黒くし、キットではたたんでいるセールをすべて開いた状態に作り替えている。さらにキットでは省略されていた船首の縦帆も追加し、映画のそのままのブラックパール号を再現していた。管理人にとってそこまでやれる力量も気力もない。

「映画そのまま」と書いたが、本キットの引用元でもあるシリーズ４作目「パイレーツ・オブ・カリビアン　生命の泉」を見ると、ブラックパール号はほとんど出てこない。最後の方のシーンでボトルシップのようにビンに封入されて登場するだけだ。冊子の方はこの作品の説明に終始しつつ、肝心の船体は過去作品を参考にしていると言うことか。ずいぶん中途半端なことをする。

135号もあるのならデアゴスティーニによくあるファクトファイルものと同じく、全シリーズを対象に解説記事を掲載すれば冊子として価値のあるものになったろう。しかしコストも相当かかりそうで現実的ではないかもしれないが。

以前購入したデアゴスティーニの週刊セーリング・シップと改めて比べてみた。創刊号の内容はそれほど違わない。むしろパイレーツ・オブ・カリビアンの方が安い（190円）わりに添付パーツも多くお買い得感はあった。だがその後の号の貧弱さは買ってみないと分からない。というより全号セットを２組持っていないと分からないかも知れない。

こちらは週刊セーリング・シップ。

こっちはパイレーツ・オブ・カリビアン。

週刊セーリング・シップの方は合板、パイレーツ〜の方はMDFのようだ。両者の大きさは全長80cm程度で似たり寄ったりだが、MDFの方が密度が高そうなので、完成時にはパイレーツ〜はかなりの重さにかもしれない。

総額10万と16万の差は、ディズニーへの上納金なのか。冊子も貧弱で映画とは似ても似つかないパイレーツ〜はますます作る気が失せている。とは言え6月からとある教室に通うので、そこでの意見を聞いて作るか手放すか考えることになりそうだ。

アシェットのパイレーツ・オブ・カリビアンを入手するも・・・

帆船模型に手を出してみようと思ったとき、パートワークものでは、

・アシェット「パイレーツ・オブ・カリビアン　ブラックパール号を組み立てよう」
・デアゴスティーニ「セーリング・シップ」
・デアゴスティーニ「HMSヴィクトリーをつくる」

の順で欲していた。その念願の「パイレーツ・オブ・カリビアン　ブラックパール号を組み立てよう」をついに入手することができた。またもや「デアゴスティーニ依存症」が発症したが、これはこれでよいのだ。

今回はオークションではなくフリマサイトからだ。一部の号が欠落したセットに、他の出品者などから補完するセットを購入して全号集めた。ダブりはごくわずかだ。フリマサイトは値下げ交渉できるので、結果的にオークション相場よりかなり安く入手できご満悦だ。

そして納品された。

140サイズのダンボール一箱に125号分入っている。この写真の他にダブりも含めて15号分ある。それにしても総量が少ない。納品されたとき「これだけ？」と思ったのが第一印象だ。
アシェットは定期購読すると4号分まとめた専用パッケージで送ってくる。豪華さはないが送料や保管場所を考えるとこれで十分だ。ちなみにデアゴスティーニでは書店販売品と同じシュリンクパックされたもののようだが。

しかし添付されたパーツを見て少々ガッカリした。肝心の船体に関するパーツは1号あたりMDF1枚程度。船体パーツが添付しない号では、内装の小物がごくわずか添付されてる。なので4号分のパーツをみると実に貧相だ。4号分4,760円払っても、極めてわずかなパーツが送られ来るだけだ。当時購入した方はよっぽど辛抱強かったのだろうか。全135号だが、100号で一旦完成した後、クルーなどのフィギュアや小物類などが着いた35号分が追加されたようだ。35号もよく我慢したと思いたい。

気に入らない点が見つかると次々とあら探ししたくなる。いくつか列挙すると、

・「ブラックパール号」と言いつつも船体は黒くない
（映画とは似ても似つかない？）
・デアゴには添付された映像ソフト（DVDやVHS）が着いていない
・冊子の内容もかなり貧弱（デロリアンには撮影裏話が多数載っていたが）
・小物類はプラスティックや金属なので帆船模型用とは別に塗料がいる

など切りがない。

定価では総額159,650円も要したのだが、思うに4〜5万円くらいの価値しかない。デアゴスティーニのパートワークものだと同等品の倍額くらいと見込んでいた。分割したことと冊子の添付などで上乗せがあるのでそのくらいが妥当なところだ。しかしアシェットの上乗せはそれ以上のようだ。「古の時計」や「パズルコレクション」で感じたように、価格に対する価値はかなり低い。肝心なところが足りないのが、分冊百科の出版社として2番手以下に甘んじている理由なのだろう。

そんなこんなで、このセットを作成する意欲が失せてしまった。いっそのこと転売してしまうか。安く入手できたので、案外利益が出るかも知れない。しかし手放して後悔しても後の祭りだし。さてどうしたものか。