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Palette3のP2PPも攻略! [3Dプリンター]

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Palette3のスライサーは、Mosaic社提供のCANVASを使うのがデフォルトとなっている。しかしコミュニティの作成した「P2PP: Palette2 Post Processor」を使えばPrusaSlicerを使うことも可能だ。Palette3による多色印刷でもPrusa MK3S+を使う以上PrusaSlicerを使うメリットは大きい。名称はP2PPだがPalette3にも対応している。

しかし例によってこれも手こずった。Palette3 Pro納品直後は、CANVASでなかなかうまく行かなったので、わらにもすがる思いでP2PPを試したのだが案の定ダメだった。CANVASで問題なく印刷できるようになってP2PPを再開した次第。今回もまた手こずったが、ようやく失敗なく印刷できるようなった。その設定方法などメモしておく。

●PrusaSlicerの基本設定
このページおよびこのPDF資料を参考に、PrusaSlicerの「プリント設定」「フィラメント設定」「プリンター設定」を行う。すべてPalette3専用の設定となるため、ユーザープリセットとして保存しておく。

●PrusaSlicerGコード設定
一番わかりづらいのが、「プリンター設定」「カスタムGコード」の「Gコードの最初」に付け加える設定だ。「;P2PP」で始まり、各種設定値を書く。その中でも注意すべき項目を以下に記載しておく。

;P2PP SPLICEOFFSET=40
最初のスプライスに追加する量。全体がこの設定値だけシフトするので、パージ内での色変換する位置を設定できる。CANVASのTransition Positionに近い概念だが、こちらは%ではなくmm。どこかの資料に%と書いてあったが大間違い。資料にある通り、40mmくらいが妥当だった。
;P2PP MINSTARTSPLICE=130
130でないとなぜかWarningが出る。
;P2PP MINSPLICE=90
パージ量を指定するわけではなく、何に使っているのか不明。混色したとき、この値を変化しても効果はなかった。
;P2PP EXTRAENDFILAMENT=100
最後に追加する量なので、そんなに多くはいらない。

●パージ量の設定
CANVASのTransution Lengthに相当するのがPrusaSlicerの「パージ体積」。CANVAS同様にマトリクスで設定もできる。この値はPrusaのMMU2向きの値なので「アンロード済」「ロード完了」と2つの値があるが、合計値が使われる。
単位はmm3なので、長さに2.4(直径1.75mmの円の面積)をかけた値になる。CANVASのデフォルト値105mmの場合は、約250mm3になる。よってこれを半分にして125、125で設定している。
CANVAS同様に、白などの薄い色に変化する時は、この量を増やせばいい。設定値を「高度な設定を表示」でマトリクス表示するとわかりやすい。

●P2PPの実行許可と動作
P2PPはアプリケーションなので、ファイル解凍後アプリケーションフォルダにコピーしておく。とりあえず起動すると認証がないとかの警告が出るので、一旦終了してMac OSの「システム環境設定」「セキュリティーとプライバシー」で実行許可を与えておく。
PrusaSlicerでスライス後、Gコードのエクスポート時にP2PPが起動して生成されたGコードに細工をする。加工したGコードは、WifiでPalette3に転送される。このとき生成されたmcfxファイル名に日本語などが入っていると、ホストが応答しないなどの不可解なエラーになるので要注意。

●Palette3側の設定
初回実行時、新規のプリンター設定が作成される。このときのHM値は98が設定されるがこの値では全くダメだった。管理人の場合は103で始めたら良好な結果になった。同じモデルでHM値と生成されたPing値を並べると以下のようになった。
・HM=98 Ping: 107台・・混色
・HM=100 Ping: 105台・・混色
・HM=103 Ping: 101台・・成功
Ping値が100に近くなるよう初期のHM値を設定して詰めていけば良い。手間取った理由はこれを理解していなかったからだ。Mosaic社の資料にも、こんな単純なことが書いてない。実に不親切だ。当たり前過ぎて記載漏れすることは良くあることだが、管理人のようにこれに気づくまでに2か月弱も要してしまう鈍い人間もいるのだ。

Palette3 Proの納品から2か月弱。失敗やパージタワーなどで浪費したフィラメントは合計1kgくらいはあるだろうか。その程度で使いこなせるようになったので良い方かもしれない。さてこれから何を作ろうか思いつかない。手持ちのフィラメントは多色印刷に向いたような原色系が少ないし、本体の数倍に及ぶパージタワー、つまりゴミを作るPalette3の方式にすでに限界を感じている。これを活かせる造形物はなんだろうか思い悩まねばならない日々が続きそうだ。


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